2012年5月18日金曜日

Kasteel Wijnendale (Wijnendale 城)に行ってきました。

キリスト昇天祭で祝日だった昨日、朝から電車とバスを乗り継ぎ、
西フランダース・Torhoutという街へ出かけてきました。
このTorhoutには何があるのかというと、
何でもユニークな形のしたWijnendale城というお城があるのを
かれこれ1年近く前に知り、行きたいと思いつつもなかなか機会が見つからず
ようやく今回行けることとなりました。で、行ってみた感想、ずばり予想以上でした!

ブリュッセルからはTorhoutという所までは
世界遺産で有名なBrugge経由(50号線)でもKortrijk経由(89号線)でもどちらでも行けます。


で、チケット買う際にあえて経由地を入れずにおくと、そのまま出てきたので
今回はブリュッセル→Kortrijk→Torhout→Brugge→ブリュッセルという感じで
時計回りに乗って帰ってきました。(検札でチケット見せても何も言われないので問題ないでしょう。)
週末料金で1等車利用で往復25ユーロほどです。

ふかふかの座席の1等車に乗り


まずはKortrijkへ。到着間際、横に座っていた車掌さんが
親切にもTorhout方面行のホームを教えてくれるという親切さ。
(ちなみにベルギー国鉄では検札後、車掌は1等に座っている事が多いです。)

ブリュッセルから1時間半程で最寄りのTorhout到着。


そこからDe Lijnという黄色いフランダース地方のバス(51系統)に乗り、
目的地のWijnendale城へ。ちなみにこの51系統、海沿いのオステンドまで運行してました。



開館時間が13時半からだったという事で30分ほど周囲をぶらぶら。
が、特に何も無くチケット売り場近くにあったパンフレット読みながら時間潰す。




時間になり敷地内へ。他にベルギー人の御夫婦に係員の4人で一緒に城内へ。





城内に入るに当たり、1つだけ注意事項を言われる。
それは写真撮影は構わないが、お城の周囲を歩くのは禁止ですと。
というのも現在でも所有者が城の一角に住んでおり、プライバシーの観点から駄目だとのこと。
(係員に聞くと夫妻2人が住んでいるとのこと。何でも奥さんはベルギーの貴族の家系だとか。)
という訳でこちらは敷地の配置が良く分かる空撮写真。池に浮かんでる構図になってます。


で、いざ入場。


入って左手が博物館。片や右手はこの通りロープが張られてました。


ここから先は所有者の住居棟のようでした。(左側のチャリは城主のか?!)
城自体の歴史、この地方の歴史、今の所有家の説明、台所と
なかなか小さいくせに見どころ多かったです。で、台所にあったこの絵。

「余は苦しゅうない!満足じゃ。」と言ったかどうかは・・・
タイトルは『The king is Drinking』という。これには個人的に大ウケ。
さぞやこの台所でも御馳走が調理されたのを彷彿とさせてくれます。
ちなみにこのお城、外面は古めかしいくせして、中は意外と近代的。エレベーターがありました。


で、もうひとつの見どころはここの部屋。


オヤジ達の人形が並んでますが実はこの部屋、
第二次大戦時ベルギーがドイツに占領されようとする直前、
時の国王レオポルド3世と当時の内閣首脳が最後の会談を行ったという場所。

(説得された側) 時の国王レオポルト3世
内閣首脳陣が国王に対して他国への亡命(実際にはフランス→イギリスと)を説得したのに対して、
レオポルド3世は頑として聞き入れず最後まで国内に残ると言い切り、物別れに。

(説得した側) 時の首相 Hubert Pierlot
で、ドイツのベルギー占領後は国王自らナチスにより一時身柄拘束。
戦後レオポルド3世の帰国に際しては王位復活反対運動が起き、
結局退位につながるベルギー近代史における貴重な場所とのこと。
という貴重な場所なので個人的には人形がちょっと余計な気もしました。
(いっそのこと、写真だけでも十分なのに。。。)

そういう訳でふらふらと1時間半ほどみっちりと城内を見学。



祝日のひと時、ベルギーの歴史の舞台を見ることが出来て大満足でした。

帰路はBrugge周りでブリュッセルへ。往路と違いこちらは1等車も満席でした。
駅で2012年版ベルギー国鉄の時刻表購入。次はどこに行くかな。


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Kasteer Wijnendale
Oostendestraat 390
8820 TORHOUT

BruggeからTorhoutまでは電車で20分程。
Torhoutの駅から51系統のバスで10分程。(約1時間に1本)
*駅から3キロほどあるので、余程の健脚で無いと歩くのはしんどいかと。